小田原の相続税に強い税理士事務所

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まさかウチも? 相続登記義務化でやるべきコト

突然届いた「相続登記のお知らせ」にドキッとしたあなたへ

午前中、ポストを開けたら「法務省からのお知らせ」というハガキが。

「うちの実家の“登記”がどうとか……お義母さんが亡くなって1年、まだバタバタしていて名義なんて気にしていなかったのに!」

もしあなたが「“登記”って聞いただけで頭が痛い…」と感じているなら、この記事でそのモヤモヤをスッキリ解消しちゃいましょう!

1. そもそも「相続登記義務化」って、何が変わったの?

2024年4月1日から法律が改正され、相続登記が義務化されました。

これまでは、不動産を誰が相続したかを法務局に届ける(=登記する)かどうかは任意だったんです。でも、今は「義務」になったんです!

  • 名義を変える必要がある人:相続で土地や家を受け継いだ人は全員
  • 期限:「相続したと知った日」または「遺産分割の話し合いがまとまった日」から3年以内
  • 守らないとどうなる?:10万円以下の過料(罰金のようなもの)

「ペナルティ」と聞くとドキッとしますが、これは国がいじわるを始めたわけではありません。


2. どうして急に強制になったの? 〜「所有者不明土地」問題とは〜

登記をせずに放っておくと、誰が持ち主かわからない土地が増えてしまいます。

実は、全国で九州を超える面積の土地が「所有者不明土地」になっているんです。

こうした土地が増えると、公共工事が進まなかったり、草ぼうぼうの空き地が治安を悪化させたりと、さまざまな問題が起こります。

その「尻ぬぐい」を税金で続けるのは、さすがにもう限界。

そこで国は、「せめて名義だけはきちんと動かしてね」と、義務化に踏み切ったのです。


3. 「3年カウントダウン」はいつから始まるの?

気になる「3年の期限」のスタート地点は、以下の通りです。

  • ご家族が亡くなったと知った日:その日からカウントスタート!
  • 遺産分割の話し合いが長引き、やっとまとまった日:話し合いがまとまった日から新たに3年スタート!

「話し合いに2年かかったらどうしよう…」と不安に感じるかもしれませんが、話し合いがまとまった日が新しいスタートになるので、焦りすぎる必要はありません。

ただし! 書類集めには意外と時間がかかるのが現実です。
放っておくと、あっという間に36ヶ月は過ぎてしまいますよ。


4. もし期限に間に合わなくても“救済策”はある!

万が一、期限に間に合わなそうでも安心してください。
相続人申告登記」(そうぞくにんしんこくとうき)という救済策があります。

  • 必要なもの:「戸籍一式」と簡単な申出書だけ
  • これを提出すれば、ひとまず義務を果たしたことになり、過料の心配はストップします。
  • 本格的な登記は、後日ゆっくりでOK!

これは「とりあえず出して時間を稼ぐ応急処置」と覚えるとイメージしやすいでしょう。


5. 放置するとどうなる? リアルな3つの失敗談

「うちは関係ないはず」と思っていても、相続登記を放置すると、こんなトラブルに巻き込まれることがあります。

  1. 家が売れない 祖父名義のまま30年が経過し、相続人が数十人に増えて連絡が取れない人がいるため、売買契約にサインできず、買い手が去ってしまったケースも。
  2. 銀行のローンが通らない 自宅を担保に教育ローンを組もうとしたら、「名義が違うと評価はゼロ」と言われ、進学資金が足りなくなったご家庭もいるそうです。
  3. 固定資産税だけ延々払い続ける 空き家を処分できず、毎年の税金が家計を圧迫。「住まない家にお金を払うなんて…」と家族ゲンカに発展することもあります。

どれも、ごく普通の家庭で実際に起きていることです。「まだ先のこと」と感じても、手続きは早いほどスムーズに進みますよ。


6. 主婦でもわかる! 相続登記の5ステップ

相続登記の手続きは、次の5つのステップで進められます。

  1. 戸籍と住民票をまとめて取り寄せる
    役所をはしごせず、マイナポータルのオンライン請求が便利です。
  2. 家族で「誰がどの不動産を持つか」を話し合う
    話し合いがまとまったら手書きでも良いので「遺産分割協議書」を作成し、みんなで実印を押しましょう。
  3. 登録免許税を計算する
    ざっくりですが、「固定資産税評価額 × 0.4%」で計算できます。例えば、評価額3,000万円なら12万円です。
  4. 法務局の書式をダウンロードして申請書を作る
    難しそうに見えますが、ほとんどは住所・氏名・日付の入力で済みます。
  5. 郵送・窓口・オンラインのいずれかで提出
    オンラインで申請する場合は、事前にIDを取得するのに2週間ほどかかるので、早めに準備しましょう!

【ポイント】 「①と②を終えたら、相続人申告登記を先に出す」という作戦なら、期限へのプレッシャーがグッと減りますよ。


7. 手続きにかかるお金 〜ざっくり目安〜

相続登記には、どのくらいお金がかかるのでしょうか?

  • 登録免許税
    評価額2,000万円で8万円、評価額8,000万円で32万円
  • 司法書士に丸ごと頼む場合
    5〜10万円 + 物件数による加算
  • 戸籍・証明書
    1.5万円前後(人数や本籍地による)

【家計のヒント】
「書類集めだけは自分でやって、登記申請だけ司法書士に頼む」という方法なら、費用を3割ほど抑えることができますよ。
かかった費用はエクセルなどに残しておくと、次の相続(二次相続)のときに見積もりがラクになります。


8. デジタルツールで“時短”するコツ

忙しい私たち主婦にとって、時間は貴重ですよね。
デジタルツールを賢く使って、相続登記の準備をスムーズに進めましょう。

  • e-Taxの利用者識別番号は、登記と同時期に取っておくと、相続税の電子申告(書類をPDFでポン!)が一度で済むようになります。
  • 登記事項証明書のオンライン請求は、窓口より数百円安く、しかもスマホで完結できます。
  • 家族との情報共有には、LINEグループ+Googleドライブが便利。「どの書類を誰が持っているか」が一目で分かりますよ。

 


9. 家族会議をこじらせない“魔法の4ステップ”

相続の話は、家族間でもデリケートなテーマになりがち。円満に進めるための「魔法の4ステップ」をご紹介します。

  1. 「なぜ必要か」を先に共有する
    「登記しないと、子どもたちが将来困るかもしれない」という未来の不安を具体的に伝えましょう。
  2. 期限とお金を数字で示す
    「あと18ヶ月だよ」「登録免許税は12万円くらいかかるよ」など、具体的な数字で示すことで、みんなで現実的に考えられます。
  3. 役割を分担する
    「お兄ちゃんは戸籍の担当ね」「妹は法務局への申請をお願いね」など、タスクを細かく分けて協力体制を作りましょう。
  4. 「もし○○だったら?」を事前に用意する
    連絡が取れない親族がいたり、費用負担に反対する人がいたり…ありがちなトラブルを事前にシミュレーションしておくと、いざという時に慌てずに済みます。

 


10. よくある疑問を「一問一答」でスッキリ!

Q:土地だけ登記して建物は後回しでもいい?
A:「ダメです。土地と建物はセットで登記が必要です。別々にすると二度手間ですし、期限を超えるとペナルティのリスクが残ります。」

Q:海外在住のきょうだいがいるけど大丈夫?
A:「大丈夫です。現地の日本大使館・領事館で署名証明を取って郵送してもらえばOKです。(手数料は3,000〜8,000円ほどかかります)」

Q:遺言に「法定相続分どおり」と書いてあった!
A:「ラッキーです!遺産分割協議書は不要です。
遺言書と「検認」の証明書を添えて申請すればスピーディに進みます。

 


まとめ:「名義を動かす」は家族を守る第一歩

毎日育児・家事・パートで大忙しの主婦の方でも、「3年のカウントダウン」は容赦なく進みます。

でも、最初の一歩はクリックひとつで始められます。
戸籍を請求するだけでも、不安はグッと小さくなるはずです。

「登記はゴールじゃなくて“スタート”です。名義が整えば、家は売る・貸す・担保に入れる――選択肢が一気に広がります」